NPOあつぎみらい21の「かながわ Business Network」平成30年4月号 Vol.87
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NPOあつぎみらい21の「かながわ Business Network」
平成30年4月号 Vol.87
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こんにちは、NPOあつぎみらい21「かながわ Business Network」編集部
です。
毎月1回、メールマガジンを通じて皆さまの経営に役立つ情報をお届けして参りま
すので、どうぞ宜しくお付き合いください。
あっという間に桜は終わり、新緑の季節がやってきました。先日、すっかり桜の
散った京都で、新緑のもみじを堪能してきました。青もみじと言って、なかなか
綺麗でしたよ。
では、今月の内容です。
1.<経営講座> ■ 【小さな会社のマーケティング】
2.<活動報告> ■ 【ゴーヤで緑のカーテン作り】
3.<経営情報> ■ 【各種セミナー情報】
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1.<経営講座> ■ 【小さな会社のマーケティング】
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少子高齢化やグローバル化による国内市場の縮小が進む中で、中・小規模事業者の
経営環境は厳しい状況が続いています。製造業においては最近受注が増える傾向に
ありますが、人手不足が一番の経営課題と言われており、商業においては大手資本
の地域への進出やIT化による売上高の減少が大きな経営課題と言えます。ここで
は、後者の課題に焦点を当てて、売上を伸ばすために欠かせない「マーケティング」
についてお話をしたいと思います。
販売不振を考える
貴方の会社(事業)の販売不振の原因は何でしょうか?
販売不振を払しょくする為に何をしますか?
多くの方は販売活動を強化することを考えると思います。では具体的に何をしたら
良いでしょうか?私は、販売不振を3つの要素に分けて、一つずつその原因を考え
て売上拡大に繋がる改善をすることをお薦めします。
3つの要素とは、『売るもの』『売り方』『売り先』です。これ等3つの要素にあ
る問題点(課題)を解決する為に必要なのが「マーケティング」なのです。
■マーケティングって何か?
では、「マーケティング」って何でしょうか?何をやることでしょうか?
マーケティングについては、アメリカマーケティング協会や日本マーケティング協
会の定義がありますが、一番分かり易いと私が思うのは以下のP.F.ドラッカーの
考えです。
『マーケティングの目的は、販売を不要にすることだ。マーケティングの目的は、
顧客について十分に理解し、顧客に合った製品やサービスが自然に売れるようにす
ることである。』
そうです、売手の立場ではなく買手である顧客の立場で考えて、顧客のニーズに合
ったものを提供することがマーケティングを行う目的なのです。
では、具体的にどうすれば良いのでしょうか?
その前に、マーケティング活動の基本的なプロセスをご紹介します。
■SWOT分析→市場調査→3C分析→ STPマーケティング→マーケティング・ミックス
(4P)
このプロセスを通して市場(顧客)にアプローチ(ニーズに合ったものを提供)す
る訳ですが、夫々の手法について簡単にご説明します。
■SWOT分析:自社(内部環境)の強みと弱み、市場(外部環境)の機会と脅威を分
析・把握して、販売戦略に活かすこと
■市場調査:商圏・顧客、競合、制度、地域の風習・習慣などを知って、対象とする
市場を理解して選択をすること
■STPマーケティング:以下の方法でターゲットを絞り込むこと
*セグメンテーション(市場を細分化する)
*ターゲッティング(標的市場を決定する)
*ポジショニング(自社が提供する価値の位置づけをする)
■3C分析:以下の3者の関係性を見極めながら自社の最適な位置づけをすること
*顧客(Customer)のニーズ(その変化)を把握する
*競争相手(Competitor)の動向を把握して対応方法を検討する
*自社(Company)の位置(ポジショニング)を判断する
■マーケティング・ミックス(4P):4P(製品、価格、販売チャネル、プロモーシ
ョン)を最適にすること
この様なマーケティング手法を駆使して顧客ニーズに合ったものを提供することで、
潜在市場を有効市場(自社の顧客)に変えて売上や利益を増やすことが出来るので
す。
ここで大事なことは、先に申し上げた“顧客の立場で考えること”ですが、それはよ
く「顧客志向」と言う言葉で表現されます。ただ、注意して頂きたいのは、この「
顧客志向」が売手の立場で考える“片想い”であってはいけないと言うことです。売
手の片想いな「顧客志向」は、買手の「顧客満足」を満たしません。
あと一つ、マーケティングをする上で大切なことは、その事業で何をやりたいのか、
経営理念や事業の目的が明確になっていることです。
■顧客(ニーズ)に合った商品、サービスって何か?
では、「顧客満足」を満たすためには何が必要でしょうか?
それは、売手が提供するモノと買手のニーズが“片想い”でなく“相思相愛”であるこ
となのですが、売手の「顧客志向」と買手の「顧客満足」のギャップを埋めること、
即ち「相思相合」のモノ(品質)を提供して信頼を得ることと言えます。私はこれ
を『信頼品質』の構築と呼んでいます。
勿論、お客様は多様であり、顧客満足もTPO(その時、その場所、その目的)によっ
て違いますから、全ての人のニーズに応えることは不可能と言えます。そこで必要な
のが「ポジショニング」と「差別化」です。特に小さな会社にとって大手資本に対抗
するためには、ターゲットにした市場に品質・機能・信頼性で差別化を図って、ポジ
ショニングをすることが大事になってきます。そして。そのポジショニングに相応し
いマーケティング・ミックス(4P)にして、顧客が満足する「信頼品質」を築くこ
とでお客様を囲い込むことが出来るのです。
■売上拡大をするために
ここまで、市場を知ること(売り先)、顧客のニーズに合ったものを提供すること(
売るもの)、自社の強みを活用して販売戦略を立てること(売り方)についてお話し
てきました。この他にもお話したいことは沢山ありますが、あと2つご紹介したいと
思います。
消費者の購買行動の変化
最近はスマホの機能が高度化したこともあって、従来はAIDMA(アイドマ)と呼ばれ
ていた購買行動が最近はAISAS(エイサス)と呼ばれるようになってきました。これ
は、気づき(Attention) →関心(Interest) →欲求(Desire)記憶(Memory) →行
動(Action)と言う従来の購買行動が、始めの気づき→関心までは同じですがその後
が、比較(Search) →行動(Action) →共有(Share)に変わってきたことを言ってい
ます。この様にSNSで投稿して情報を共有する消費者の行動は無視することはできま
せん。消費者がSNSで投稿したくなる品質を提供することもマーケティングの一つと
言えます。
■ビジネスモデル(収益モデル)
ビジネスモデルは、会社(事業)の『売るもの』『売り方』『売り先』を“見える化”
して、自分の会社(お店)、取引先、顧客の間の“モノの流れ”、“カネの流れ”、“ヒ
ト(経営資源)の配置”を分かり易くします。先ず、貴方の会社(事業)の現在の状況を
図にしてみましょう。そして、どこで収益が上がっているか、或いはどこでコストがか
かっているか、売上や利益を上げる為にどこを変えたらよいか、など事業を見直したり
事業戦略を立てる上で大変便利な手法と言えます。詳しくは、また別の機会にお話しし
たいと思います。
■まとめ
マーケティングとは『信頼品質』を構築することと言いましたが、地域に密着した小さ
な会社は大手資本よりも『信頼品質』を作りやすいと思います。その為に『売るもの』
『売り方』『売り先』の視点で現状を見直して頂きたいと思います。昔から言われる
“売り手よし” “買い手よし”“世間よし” の「三方よし」は、小さな会社に合った日本
式マーケティングの元祖と言えます。
マーケティングのスタートは顧客!
ニーズを正確に把握すること
自社の経営資源(強み)を活かすこと
経営方針(目標)を明確にすること
計画的に取組むこと
を纏めとして私が考える「小さな会社のマーケティング」を締めくくりたいと思います。
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Writer:東 新(中小企業診断士)
組織を機能させることをモットーに“人事ニアリング”を提唱し、経営改善、海外進出、
マーケティング、事業計画策定等の支援を行っています。
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2.<活動報告> ■【ゴーヤで緑のカーテン作り】
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県央地区の事業者にゴーヤの種を配布しています。6月頃から8・9月の夏に向
けて緑のカーテンを育てましょう。室温が2~3度下がり節電効果も期待できます。
また、育てる過程においては、毎日の水やりや、実の収穫の楽しみが増えます。
ゴーヤを使った料理をいろいろ工夫するのも良いですね。また、受付において、
お客様に持ち帰ってもらうとお客様とのコミュニケーションも良くなります。
ゴーヤの種を欲しい方は、企業名と担当者を記載してメールでご連絡下さい。
郵送致します。
ぜひ、お楽しみ下さい!!
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ゴーヤ担当 守谷 喜芳
E-mail Moriya-ki@jcom.home.ne.jp
住 所 海老名市東柏ヶ谷5-10-3
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3.<経営情報> ■ 【各種セミナー情報 】
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▼ その他のセミナー・講演情報
(一部古いリンクがありました、申し訳ございません。。更新してあります。)
厚木商工会議所 セミナー/イベントのお知らせ
http://www.atsugicci.or.jp/category/seminar/
相模原市産業振興財団 セミナー/イベントのお知らせ
川崎市産業振興財団 セミナー/イベントのお知らせ
http://www.kawasaki-net.ne.jp/seminar.html
横浜商工会議所 セミナー・講習会のご案内
http://www.yokohama-cci.or.jp/event/
川崎商工会議所 セミナー・講演会スケジュール
http://www.kawasaki-cci.or.jp/event/index.html
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■ 編集後記
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冒頭にも書きましたが、新緑の京都を訪ねて見ました。本来ならまだ、かろう
じて大室桜が残っている時期、日本の桜を求めて多くの海外からの観光客が訪
れていました。外国人向けのサービスや商品には、我々日本人が首を傾げたく
なるものも多くありますが、まあそれも観光産業としての進化なのでしょう。
良いものを残しながらも、変わっていくことが必要ですね。議論を呼んだ京都
駅ビルも観光地として定着してきているようです。
それでは次回も楽しみにして下さい!
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編集長:石川征郎(NPOあつぎみらい21事務局長)
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E-mail: mailmag@atsugimirai21.org
編集担当:橋向 博昭
E-mail: consulting@hashimukai.com
Website: http://www.atbridge-cnsltg.com
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