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NPOあつぎみらい21の「かながわ Business Network」
2021年4月号 Vol.124
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こんにちは、NPOあつぎみらい21「かながわ Business Network」
編集部です。
毎月1回、メールマガジンを通じて皆さまの経営に役立つ情報をお届けして
参りますので、どうぞ宜しくお付き合いください。
県央地区がまん延防止等重点措置適用地域に。目まぐるしく、状況は変化し
ていますね。
それでは今月の内容です。
1.<経営講座> ■ 【事業再構築補助金申請のポイント】
2.<活動報告> ■ 【コロナ禍のNPO活動】
3.<経営情報> ■ 【各種セミナー情報】
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1.<経営講座> ■ 【事業再構築補助金申請のポイント】
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ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応する為の、中小・中堅
企業の思い切った事業再構築を支援する補助金の公募が始まりました。この補助金
の予算規模は1兆1485億円で、補助額は100万円から最大1億円の大型の補助金で
す。令和3年度には5回程度公募が実施される予定です。
この補助金は、事業再構築を通して経営の継続と事業の拡大を促進させるもので
すが、申請のポイントは『事業計画』の中身と言えます。ここでは、補助金の概要
と事業計画策定のポイントについてご紹介致します。
▼事業再構築補助金の概要
詳細については「公募要領」や「事業再構築指針の手引き」でご確認頂きたいと思
いますが、概要は以下の通りとなっています。
※事業再構築補助金の「公募要領」や「指針の手引き」は、同補助金事務局のホーム
ページ(https://jigyou-saikouchiku.jp/)をご覧下さい。
1.事業再構築とは?
次の5つのタイプを指します。
① 新分野展開:主たる業種(*)又は主たる事業(++)を変更することなく、新たな
製品等を製造し又は新たな商品もしくはサービスを提供すること(以下“製品
等”或いは“製造等”と呼びます)により、新たな市場に進出することを指しま
す。
(*) 総務省が定める日本標準産業分類に基づく“大分類の産業”
(**) 同上に基づく“中分類、小分類又は細分類の産業”
② 事業転換:新たな製品等を製造等することにより、主たる業種を変更すること
なく、主たる事業を変更することを指します。
③ 業種転換:新たな製品等を製造等することにより、主たる業種を変更すること
を指します。
④ 業態転換:製品等の製造方法等を相当程度変更することを指します。
⑤ 事業再編:会社法上の組織再編行為(合併、会社分割、株式交換、株式移転、
事業譲渡)等を行ない、新たな事業形態のもとに、新分野展開、事業転換、業
種転換又は業態転換のいずれかを行なうことを指します。
2.対象になる申請者(中小・中堅企業)の要件は?
以下の3つの要件を満たす必要があります。
① 申請前の直近6ヶ月間のうち、任意の3ヶ月の売上高がコロナ以前の同3ヶ月
の合計売上高と比較して10%以上減少していること。【売上高減少要件】
② 事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再
構築に取組むこと。【認定支援機関要件】
③ 補助事業終了後3~5年で、付加価値額の年率平均3.0%(一部5%)以上増
加、又は従業員一人当り付加価値額の年率平均3.0%(一部5%)以上増加の
達成を見込む事業計画であること。【付加価値要件】
3.補助事業枠と補助額・率は?
補助事業枠(事業類型)は4つあります。
① 中小企業(通常枠):補助額100万円以上6,000万円以下、補助率2/3
② 中小企業(卒業枠):補助額6,000万円超~1億円以下、補助率2/3
※中小企業から中堅・大企業に成長する事業であること。
③ 中堅企業(通常枠):補助額100万円以上8,000万円以下、補助率1/2
(4,000万円超は1/3)
④ 中堅企業(グローバルV字回復枠):補助額8,000万円超~1億円以下、補助
率1/2 ※グローバル展開を果たす事業であること。
⑤ 緊急事態宣言特別枠:前2項の要件①~③に加え、緊急事態宣言に伴う飲食店
の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、
令和3年1月~3月のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比で
30%以上減少していることが要件になります。
補助額 従業員数5人以下 :100万円~500万円
従業員数6~20人:100万円~1,000万円
従業員数21人以上:100万円~1,500万円
補助率 中小企業3/4、 中堅企業2/3
※補助事業実施期間は、交付決定日から12か月以内(卒業枠・グローバルV字
回復枠は14か月以内)です。
4.どんな経費が対象となるか?
設備費、システム購入費、外注費、広告宣伝費・販売促進費等に加えて、建物建設
費、建物改修費、賃貸物件等の原状回復費などの建築費が対象になることがこの補
助金の特徴と言えます。
5.申請方法と公募期間は?
○ 申請は、電子申請システムのみで受付けます。申請には「GビズIDプライムア
カウント」の取得が必要になります。現在取得には3週間以上かかる状況になっ
ており、早めに申請して下さい。
GビズIDについては、次のURL
(https://gbiz-id.go.jp/top/index.html)でご確認下さい。
○ 1次公募は3月26日開始されており、4月30日が締切ですが、令和3年度に
さらに4回程度実施する予定になっています。
▼事業計画策定のポイント
この補助金の肝は何と言って事業計画の中身ですが、ポイントは「新規性」がある
かないかです。こで求められている「新規性」とは、事業再構築に取組む中小企業
等自身にとっての新規性であり、世の中における新規性(日本初・世界初)ではあ
りません。自社が現在行なっている事業と比較して何が新規性かを明確にする必要
があります。
1.新規性の要件
新分野展開に該当するためには、次の3要件を事業計画で示す必要があります。
① 製品等(製品・商品等)の新規性要件:
(i)過去に製造等した実績がないこと、
(ii)製造等にもちいる主要な設備を変更すること、
(iii)定量的に性能又は効能が異なること。
② 市場の新規性要件:
既存製品等と新製品等の代替性が低いこと。即ち、新製品等を販売した際に、
既存製品等の需要が単純に置き換わるのではなく、売上が販売前と比べて大き
く減少しないことや、むしろ相乗効果により増大する事業計画であること。
③ 売上高10%要件:
3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品の売上高が総売上高の10%以
上となる事業計画であること。
2.事業計画書作成のポイント
あらゆる補助金や助成金、融資を受ける際には事業計画の中身が重要ですが、この
事業再構築補助金は新しい事業を立ち上げることになりますから、新会社を設立す
る覚悟で事業計画を策定して頂きたいと思います。その為のステップをご紹介しま
す。
① 現状の把握:
現在の事業の内部・外部環境を、SWOT(強み・弱み、機会・脅威)分析や
3C(自社、競合、顧客)分析などを行なって、どんなビジネスモデルになって
いるか、現状を把握し整理するところから始めましょう。
② これから取組む新分野(目標)の明確化:
現在の状況をもとに、新たに取組む「売るモノ」(製品・サービス)、「売り
方」(広告宣伝・提供方法)、「売り先」(市場・顧客などターゲット)を検
討します。ここでは、「新規性」があることが大事ですから、他者・既存事業
と差別化し競争力を強化する方法や仕組み、実施体制を具体化して持続的に収
益を上げられる事業かをじっくり検討して下さい。ここで取組む事業類型が決
まってきます。一番大事なところです。
③ 目標を実現するための取組み内容:
取組む新分野が決まったら、それを実現するために必要な投資内容(建物の建
設・改修、機械装置、システム導入、専門家経費、利用するクラウドサービ
ス、広告宣伝・販促費など)を洗い出し、経費の見積・算出をします。また、
新規事業を実施するための組織体制も具体的にして下さい。補助事業実施期間
に行なう事業内容が決まると、申請書に“具体的な取組みの内容”を記載するこ
とが出来ます。
④ 将来への展望(目標に向けてのロードマップ):
本事業の成果が寄与すると想定している具体的なユーザー、マーケット及び市
場規模等について、その成果の価格的・性能的な優位性・収益性や課題やリス
クとその解決方法を記載します。この時に3~5年のロードマップを描いて、
それに基づいた収益計画を作成して下さい。収益計画は、「売上高」、「営業
利益」、「経常利益」、「人件費」、「減価償却費」、「従業員数」などの見
込値を記載する必要があります。また、事業を実施するために必要な資金を自
己資金+補助金交付申請額+借入金+その他の資金源に分類して、後払いにな
る補助金の一時的な調達を考えなければなりません。金融機関と事業計画を策
定すると、その金融機関からつなぎ融資を受けることが期待できます。
▼その他提出書類
提出書類は、PDF形式に変換した電子ファイルを電子申請システムの所定の場所
に添付する必要があります。添付書類は以下の通りなります。
① 事業計画書(最大15ページで作成して下さい)
② 認定経営革新等支援機関・金融機関による確認書
③ コロナ以前に比べて売上高が減少したことを示す書類
④ 決算書類(直近2年間の貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書、販売管理
費明細、個別注記表となっています。提出できない書類がある場合の例外的な
対応は公募要領に従って下さい)
⑤ ミラサポplus「活動レポート(ローカルベンチマーク)」の事業財務情報
⑥ その他、事業枠によって求められる書類が異なります。
※添付書類は、公募要領の「ファイル名確認シート」に基づいて名前をつけて提
出して下さい。
まとめ
新規事業は、競合の激しい分野に進出する可能性が高いと思います。補助金がある
から申請してみようと考えるのではなく、現在の事業を見直して経営を継続・拡大
するために必要なことを考えて、実現出来そうだと思った時に、この補助金にチャ
レンジして下さい。リスクも考えて無理は禁物です。
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Writer:東 新(NPOあつぎみらい21理事/中小企業診断士)
「人と組織と地域をサポートする経営コンサルタント」
Contact: higasi.sin@lemon.plala.or.jp
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2.<活動報告・活動案内 > ■ 【コロナ禍のNPO活動】
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▼支援事業活動
昨年2月頃より始まりましたコロナ禍で4月から新年度の行政等からの受託事業
は、各地方自治体や支援組織により少しずつ違う影響を受けました。
ある自治体は4月に始まる事業開始を遅らせ開始を7月にする自治体や、4月にスタ
ートしても実質開始は7月頃になるところ等、コロナ禍の影響で遅れたスタートと
なりました。研修事業などでは体温の測定や、消毒液の準備など感染拡大を阻止す
る万全な対策をして無事実施することが出来ました。結局、受託事業は全て無事終
了することが出来ました。会員各位の集中的活動にご協力いただきありがとうござ
いました。
さらに、新しい自主事業として「キャリアゼミ」を6月から月1回始めました。技
術系の高いレベルの企業が多い県央地区から、技術系のテクノロジー系の起業家を
育てようという試みです。毎月創業経験者の話や、知っておかねばならない知識を
勉強しています。集合研修ができないためZoomで全回開催しています。
今後も、NPOあつぎみらい21はDX時代としてZoomでの中小企業支援活動や研修
事業を推進して参ります。
▼組織運営
当NPOの運営につきましてコロナ禍の影響を受け、たいへんな影響を受けました。
従来毎月開催しておりました月例会や運営委員会の開催は、2月より集合すること
が出来ず、また会場の使用を含めて出来なくなりました。3月よりメールでの会議
が始まり、5月には総会開催も控えていることもあったため、4月にはZoomによる
会議をスタートいたしました。けっこう早めのZoom会議の開始で、ハイブリッド
を含めて活用しています。総会はZoomでの会議で無事終えることが出来ました。
定例会議のみならず、基本はZoom会議で現在も続いております。私たちは日頃の
情報交換が必要で、会議後飲み物を手にZoom飲み会を開いております。
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Writer:小泉誠二(理事長/中小企業診断士)
県央の未来を開くNPOあつぎみらい21
Website: https://www.atugimirai21.org
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3.<経営情報> ■ 【各種セミナー情報 】
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▼ その他のセミナー・講演情報
厚木商工会議所 セミナー/イベントのお知らせ
http://www.atsugicci.or.jp/category/seminar/
相模原市産業振興財団 セミナー/イベントのお知らせ
http://www.ssz.or.jp/event
川崎市産業振興財団 セミナー/イベントのお知らせ
http://www.kawasaki-net.ne.jp/seminar.html
横浜商工会議所 セミナー・講習会のご案内
http://www.yokohama-cci.or.jp/event/
川崎商工会議所 セミナー・講演会スケジュール
http://www.kawasaki-cci.or.jp/event/index.html
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■ 編集後記
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今月も、あつぎみらい21メルマガをお読みいただきありがとうございます。
感染症の専門家ではありませんが、数学的に考えれば、再生産指数が1.0
を超えている状況では、人と人の接触が増えれば、感染は広がりますよね。
閉めれば感染者は減少しますが、緩めれば当然また感染の拡大が起きます。
集団免疫を獲得するまで、その繰り返しで収束はありえないのですね。
ワクチンが有効であることを祈りましょう。
それでは次回も元気に、お届けします。楽しみにして下さい!
メルマガや、当NPOの活動にご意見・ご質問などありましたら、お気軽に
お寄せください。
本メルマガは、GoogleGroupで発行しております。GoogleGroupは本
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メンバも当然非公開としています。ご安心ください。
発行者:特定非営利活動法人 NPOあつぎみらい21
編集長:東 新(NPOあつぎみらい21事務局長)
Website: http://www.atsugimirai21.org/
E-mail: mailmag@atsugimirai21.org
編集担当:橋向 博昭
E-mail: hiro@at-bridge.com
Website: http://at-bridge.com
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