NPOあつぎみらい21の「かながわ Business Network」 2024年9月号 Vol.16


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  NPOあつぎみらい21の「かながわBusiness Network」
                2024年9月号 Vol.165
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こんにちは、NPOあつぎみらい21「かながわ Business Network」
編集部です。
毎月1回、メールマガジンを通じて皆さまの経営に役立つ情報をお届けして
参りますので、どうぞ宜しくお付き合いください。

暑さ寒さも彼岸まで、と言いますがまだまだ秋の涼しさには程遠い状況でし
ょうか。と言いつつ、実は秋の気配の色濃いパリから今月はお送りします。

それでは、今号の内容です。
1.<経営講座> ■【専門用語を使わないマーケティングのハナシ。(第14回)】
2.<活動報告> ■【厚木地区景気動向調査について】
3.<経営情報> ■【各種セミナー情報】

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1.<経営講座> ■【専門用語を使わないマーケティングのハナシ。(第14回)】
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▼その14 ブームに乗れ!? 高級食パンにみるブーム始末記

 事が過ぎた後だからこそ冷静に考えられることもあります。高級食パンは一時は
長い行列ができ、メディアを賑わせるほど人気になりましたね。今回はそれをテー
マに、ブームのとらえ方を考えてみます。

 盛者必衰の理を表す。

 中世の文学作品にも描かれている通りですが、わかっているのに避けられないの
も人間のなせることと言えますね。


 さて、いまだから言えるブームのことですが、何事も栄枯盛衰は避けられないも
のです。
 モノやサービスが必要以上に世の中に出回ってしまったり、単に消費者が飽きて
しまったりと。それが起きる理由はそれぞれあるのでしょうが、ビジネスで押さえ
ておくべきは、ブームに乗ってビジネスを加速させることと並行して、やがて来る
頭打ち、そして急減速するフェーズもワンセットになってやってくる・・・

 それを念頭に置きながら、自分のビジネスのかじ取りをしましょう。ということ
です。

  
         ・・・ では、ブームには乗らない。という選択が正解なの?

 そうではありません。

 ブームが来ること自体まず予測不可能ですし、拡大するチャンスをみすみす逃す
のも事業の成長を妨げるだけでなく、ライバルとの埋めがたい差をつくる危険性が
高く、そうなってはブーム以前に生存競争から振り落とされてしまいます。

 もしブームに乗って業態転換や起業をしたい。と考えている場合には、できるだ
け早い段階で「引き波」に警戒することが最善手となります。

 

         ・・・ ブームの客はほとんど「にわかファン」ということ。

 つまり、熱しやすく冷めやすい。だからこそ、その中にいる本当のニーズを持っ
たお客様だけを選り分けて集めておくこと。それが引き波に攫われにくくする防衛

 ブームに左右されないコア客を創る方法ですが、業界や業態、クライアントの経
営状態などにより変化するのでケーズバイケースで対応しています。実際のコンサ
ルティングの場面でも、都度さまざまな視点で工夫を加えアドバイスしています。

 ひとつ例えを挙げるなら、一見さんが入りにくいバイクやテニス、サーフィンと
いった趣味性の高いプロショップのビジネスモデルでしょうか。
 量販店があるにもかかわらず、定価で買ってくれる人たちが我が家のようにふる
まう。そんなお客様がいるようなお店ですね。
 その人たちがお店に感じている価値は「安さ」ではなく、自分を一番知ってくれ
た上で、的確なアドバイスや商品の目利きをしてもらえる「頼れる人」がいること
です。

 ベタな言い方ですが、市場を見るのではなく一人ひとりの顧客をみる。なんです。

 そのほかにも、一過性であることを逆手に、その先の受け皿的なビジネスを生み
出し、そこへ誘導する集客導線と最初から決めてビジネスを仕掛けるなど、別の視
点からブームを利用することを考えるのも一案です。
 災害と同じでいつ起きるか分からない現象なので、あらかじめ想定し、平時に備
えておくことをオススメします。

                ◇ ◇ ◇

 今回は、ブームというものを捉え方について考え、リスクを避けること。やり方
次第ではチャンスに変えられることをお話ししました。
 あなたのお客様はブームに敏感な浮気性のお客様ですか? それとも、顔の見え
る付き合いができる、気心の知れたお客様ですか?

 中小企業、とりわけ小さなお店や町工場には、後者のお客様を持つことが、景気
や世の中の変動に振り回されにくい、強い営業基盤を築くことにつながります。

 また、面白いビジネス視点を見つけたら配信します。お楽しみに!


(参考文献)
 東洋経済ONLINE
 「高級食パン」ブームに異変、消費マインドを分析
 https://toyokeizai.net/articles/-/510613?display=b

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 ☆Writer:伊豫田 竜二(中小企業診断士)
  自分の好きなこと、得意なこと、やりたいことをビジネスにしよう!
  ニッチ・オンリーワン戦略で創る 中小企業や起業者の事業化&収益化 
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2.<活動報告> ■【厚木地区景気動向調査について】
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我々、あつぎみらい21では、厚木商工会議所が実施する、厚木地区の景気動向調査を
お手伝いしています。これは四半期毎に厚木商工会議所の会員へのアンケート調査を
集計し、地域全体の、あるいは業種別のDI値を算出する他、直近の経営課題に対する
認識を調査するものです。
今までこのメルマガでも、何回か調査結果の報告をしていますが、今回は調査の概要
と直近の2024年第1四半期の結果について報告します。
調査結果の詳細報告書は、厚木商工会議所のWebサイト

https://www.atsugicci.or.jp/google-maps-xml/economy/

から確認いただけます。
(この原稿を執筆時点では、まだ最新の更新が行われておらず、2023年度第4四半期
報告までが掲載されています。)

厚木地区景気動向調査の概要
景気動向調査は、調査対象企業を8業種(製造・建設・運輸・小売り・飲食・卸売り・
不動産・サービスの8業種)に分類し、景況感や売上・収益が前四半期に比較し、良
くなっているか・横ばいか・悪化しているか、を回答してもらい、以下の計算式によっ
てそれぞれの業種ごとにDI値を求めます。

((良くなったとの回答数) / 全回答数 – (悪くなったとの回答数) / 全回答数) x 100

0が横ばい、プラスが好転、マイナスが悪化の程度を表します。またその他のいろいろ
な経営指標についてや、次四半期の景況感の予測も同様に質問しDI値として算出します。
さらに、複数選択を可として直近の経営課題についても質問しています。
これらの調査結果をもとに、厚木地区の景気動向を業種別に分析して景気動向を報告
しています。

日本商工会議所のLOBO調査も業種の分類が多少異なりますが、ほぼ同じ要領で対比も
可能です。合わせてご覧いただければ幸いです。

https://cci-lobo.jcci.or.jp

以下に、直近の2014年度第1四半期の報告の概要を示します。

⚫︎ 2024年度第1四半期報告の概要

◎今第1四半期(4~6月期)の厚木地区調査対象中小企業経営者の景況感は業況DI値
で▲23.0であり、前期(第4四半期)▲20.4より全業種平均で▲2.6ポイントの低下が
見られた。
低下したポイント別でみると、業種としては、飲食業の▲78.6、卸売業の▲16.4、製造
業の▲6.8、などの低下がみられた。
改善がみられたのは、運輸業の42.2ポイント、不動産業の13.3・小売業の3.6などであっ
た。
参考としているLOBO調査(2024年6月30日付日本商工会議所ホームページより)全国
・全産業調査結果では、▲16.2で前回(第4四半期)の▲12.9から3.3ポイントの低下が
見られており、中小企業の業況は課題が山積みの上、経済活動の足踏みが続くなど依然厳
しい。

◎次期の業況予測では、2024年度第4四半期(▲14.9)から、今回の第1四半期
(▲19.0)へ4.1ポイント低下の予測がなされている。

 同じく日本商工会議所のLOBO調査では今期▲16.0で、前期▲12.2から3.8ポイントの
低下が見られた。物価上昇や人手不足の影響に依然として厳しい状況が続くとしている。

経営上の問題点を全業種で並べてみると、全体の傾向としては「仕入れ価格の値上り」が
大きく占めており、「人材不足」「人件費の高騰」「人手不足」「売上・受注の不振」
「諸経費の増加」が続き、これは前回と比較してもあまり変化はない。
特に「仕入価格の値上り」問題は、ほぼ全業種で取り上げており、中でも飲食業、卸売業
・建設業、製造業に多く、製造・サービス・運輸業と多さが目立っている。その他には、
運輸業の「人材・人手不足」が注目される。
全業種とも「仕入れ価格の値上り」項目の数値が高いのは前回の調査と同傾向であるが、
次期予測から改善の兆しを感ずることができないのは、先々の状況に不安が続いているた
めと捉えたい。
今回の全業種集計グラフ(下図)では、「売上・受注の不振」は若干低下傾向にあるが、
代わりに「仕入れ価格の値上り」の上昇が目立っている。

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3.<経営情報> ■【各種セミナー情報】
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▼ その他のセミナー・講演情報

厚木商工会議所 セミナー/イベントのお知らせ
 http://www.atsugicci.or.jp/category/seminar/

相模原市産業振興財団 セミナー/イベントのお知らせ
 http://www.ssz.or.jp/event

川崎市産業振興財団 セミナー/イベントのお知らせ
 http://www.kawasaki-net.ne.jp/seminar.html

横浜商工会議所 セミナー・講習会のご案内 
 http://www.yokohama-cci.or.jp/event/

川崎商工会議所 セミナー・講演会スケジュール
 http://www.kawasaki-cci.or.jp/event/index.html

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■ 編集後記
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冒頭でお知らせしたように、秋が始まりつつあるパリにおります。海外に来ていつも
思うことは、日本の気配りの素晴らしさです。サービスにや人々の様々な対応にも清
潔感・安心感があります。ただその分、日本では窮屈だったり、面倒だったりするこ
とも多く、またそれらのサービスが非正規雇用の方々や中小企業の我慢の上に成り立
っているのも事実ではないでしょうか。
「お・も・て・な・し」にはコストがかかります。
より合理的に、そして価値あるサービスには相応の対価を頂戴する「気概」が必要で
はないでしょうか。

では、次回のメルマガもお楽しみに。

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発行者:特定非営利活動法人 NPOあつぎみらい21
編集長:東 新(NPOあつぎみらい21事務局長)
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編集担当:橋向 博昭
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Website: http://at-bridge.com

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